五十肩の原因

〜自律神経と内臓から考える、肩が上がらなくなる本当の理由〜

「突然、肩が上がらなくなった」「ズキズキとした痛みで夜も眠れない」
そんなつらい五十肩の症状。
整形外科に行っても「加齢だから」「炎症があるから安静に」と言われ、対処法が限られている方も多いのではないでしょうか。

実は、五十肩は“肩だけの問題”ではないことが多く、自律神経や内臓の働きが深く関わっているケースがあります。今回は、少し違う角度から「本当の原因」を探ってみましょう。


① 原因は一つではなく、はっきりと特定されていない

五十肩は「肩関節周囲炎」とも呼ばれ、関節を包む組織の炎症や癒着がある状態ですが、なぜそれが起こるのか、医学的には明確にされていません。
一般的には「年齢的な変化」や「使いすぎ」と説明されますが、特に大きな原因がないのに発症する人も少なくありません。

実際、五十肩の方の多くに共通するのは、「疲れが取れにくい」「慢性的な肩こりがあった」「ストレスが多い」といった背景です。これは、自律神経の乱れが関係しているサインかもしれません。


② 内臓と自律神経が肩に与える影響

自律神経は、内臓の働き・血流・筋肉の緊張などをコントロールしています。
ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどで自律神経が乱れると、内臓の働きが落ち、結果的に筋膜(筋肉を包む膜)や関節の動きにも影響が出ます。

例えば、肝臓や胃腸が疲れてくると、内臓が固くなり、そこから肩につながる筋膜が可動性を失い肩甲骨周辺の動きが悪くなります。
また、交感神経が優位な状態(いわゆる緊張状態)が続くと、肩や首の筋肉に力が入りやすく、炎症の原因にもなります。

このように、「肩と関係ないように見える内臓の状態」が、実は肩の動きや痛みに大きな影響を及ぼしているのです。


③ 痛みが出る前から、すでに始まっている

「ある日突然、肩が上がらなくなった」と感じる方も多いですが、実際にはその前から体の中では準備が進んでいます。
筋膜の硬さや関節の動きの悪さ、自律神経の緊張状態などが少しずつ積み重なり、限界を迎えたときに“痛み”として表面化するのです。

だからこそ、「まだ痛みはないけど、肩が動かしにくい」「最近、肩こりがひどくなった」といった初期のサインを見逃さないことが、五十肩の予防にもつながります。


まとめ

五十肩は「ただの肩の炎症」ではなく、全身のバランスの崩れが現れた結果とも言えます。
痛みがある部分だけを施術するのではなく、自律神経の調整や内臓の状態、筋膜の柔軟性など、“身体全体のつながり”から整えることが、回復への近道になります。

五十肩の根本改善には、体を一つとして見る視点が欠かせません。
お困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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